インターネットさえなければ

ネットに無限に溢れるポップミュージックの一つをループさせながらこれを書いています。僕は読書より音楽とツイッターが好きなのです。困ったことです。小学5年生の時に貰ったipod touchは僕の精神と人生を根底から変えてしまった。僕は物心つく前から本が本当に好きでした。小学校に入る前から「マジックツリーハウス」を読んでいたし、3年生の夏休みには「ハリーポッター」を読破していました。授業中だろうが何だろうが本を読んでいたし、給食中も先生にばれないように本を読んでいたし、夜も眠りに落ちる寸前まで本を読んでいました。一種の依存癖です。自分には本しかないと思っていたし、教科書も読めば内容を理解できたので周りからは頭のいい子だと勘違いもされていた。それを変えてしまったのがインターネットです。頭がいいと勘違いされていたので池袋にある某中学受験対策スパルタ塾に通わされており、不眠症と慢性の腹痛を抱える程精神のバランスが崩れていたのも原因だったでしょう。僕は当時ipodにプリインストールされていたyoutubeにドはまりしました。それまで読んでいた本なんてそっちのけでアニメのMADを延々ループ再生し続ける毎日。不意に訪れる腹痛も、小学生には長すぎる夜も、ipodさえあれば平気でした。ADHDでタスク管理が出来ずに塾の先生に怒られるわ、受験が近づくにつれ両親のヒステリーも激化するわで僕はますますインターネットにのめり込んでしまい、それは中学受験が終わってからも治りませんでした。完全に依存対象が本からインターネットへ。その結果なにが出来上がるのかと言えばなにも為さずなにも積み上げないただ光る板を擦り続ける化け物です。もう教科書を読んでもなにも頭に入らないし、勉強しようとすると中学受験の時の思い出がフラッシュバックしてなにも手につかない。成績が良かった頃のプライドが邪魔をし妥協も出来ず、結局一浪して三流の私大に落ち着きました。今も課題もせずにこうしてインターネットをしています。人間は楽な方へと流れていくものです。きっと中学受験が無くてもいつかインターネットに触れた時点でこうなっていたでしょう。インターネットには読書よりも手軽に気持ちよくなれるものがそこかしこに溢れています。もし僕がインターネットの無い時代に生まれていたら。もし読書に依存したままでこの年まで生きていたら。もう少しましな人生があったのではないかといつも考えてしまいます。僕だって読書が好きだった頃の自分の方が好きだった。